【オススメ漫画】3月のライオンは何故おもしろいのか?【天才漫画家 羽海野チカとは】

3月のライオンは知ってのとおり、羽海野チカ原作の漫画である

1巻が発売されてから久しいわけだが、私は最近既刊13巻を読みきった!

何故3月のライオンが面白いのか考えてみたい!

将棋という題材

3月のライオンの連載が始まったとき、

何故将棋なのだろうか?と多くの人が考えたと思う。

私自身も「将棋かー、とっつきにくいなー」と思った

羽海野チカの前作、『ハチミツとクローバー』は、

美大という場所設定が受けていた面があった。

しかし一転して、将棋。

美大は、誰しもが憧れる面があったと思う、

しかし将棋に関しては、憧れたことがある人は少ないだろう

共感を得にくい題材と言える。

羽海野チカは、3月のライオン巻末のコラムで

「気になってしまったから」と言っていた。

なぜ羽海野チカは、漫画の題材として将棋が気になったのか

自分が思うにプロ棋士と漫画家という職業に共通点があったからだと思う

漫画家はどういう職業だろうか?

羽海野チカは3月のライオンをヤングアニマルで連載しているが、

ハチミツとクローバーは、女性向け漫画雑誌の

【ヤングユー】と【コーラス】に掲載されていた漫画である。

羽海野チカ自身も女性であるため。

漫画の作りとしては、少女漫画作りに近くなっている。

少女漫画の特徴としては、人の内面描写に重きを置くことだろう

羽海野チカの内面描写が卓越しているのは、

ハチクロを読んだ人間なら異論がないはず。

その内面描写を最大限発揮できる題材はなんだろうか?

少女漫画の題材としてよくあるのは、恋愛ものである。

何故かというと、恋愛が人の内面で起きているからだ。

加えて、皆が経験していて、共感できるという事も強い思う。

そして、将棋はどうだろうか?

将棋は、メンタルのスポーツと言われるほど

共感は出来にくいが、人間の内面を表現するにあたっては最高の題材である。

共感を捨てても面白い漫画を描けるという、

羽海野チカの強気の現れかもしれない。

 

羽海野チカの心情描写

羽海野チカという人間

羽海野チカといえば心情描写が上手いと言われているが

それは何故なのだろうか?

2017年4月号のFRaU(雑誌)のインタビューではこう語られている。

「就職するまで、友達もいなかった。オシャレもしたことがない。美大にも行ったことはない」

羽海野チカは、子供時代から、あまり友達はいなかったそう

(後に、サンリオに就職するまで、人間関係に恵まれなかったよう)

3月のライオンの主人公 桐山零は小学生時代も中学生時代も友達がいない様子が描かれている。

これは、羽海野チカの実体験に基づいた描写になっている

実体験に基づいたことであるから、真実味がすごくあるのだ

一人で学生時代を過ごした人間が何を思い、何を考えるのか

実際のところ、それを体験した人が一番理解できるだろう。

 

 

橋を使った表現

 

3月のライオンでは、よく橋が出てくるのである。

これは何を表現しているのだろうか?

この橋は、主人公の住む街 6月町 と 3月町を結んでいる橋である。

6月町では、主人公は1人暮らしをしていて、部屋にはふとんしかなく、

生活感のない部屋で生活している。

3月町では、主人公に何かと世話をしてくれている家族が住んでいて

主人公も3月町の方がいこごちが良さそうに感じる。

主人公 桐山零は最初、人間にあまり心を開かない人間だったが

この3月町の家族の影響で少しずつ、人間らしい感情を取り戻していく

この事から、この橋は主人公とその他の人間をつなぐ物として漫画内でも描かれている

こんな事誰が思いつくだろうか?

また、橋が主人公の上にある画像はどうだろうか?

これは、橋の上を歩いている画像と比べると非常に圧迫感がある

主人公も思いつめた表情である

これは、主人公の決断や葛藤を表現し、苦しい感情を表現するのに使われている

羽海野チカの担当の編集者は

「羽海野チカの感受性は人の1000倍」と語っていたが

物語の描くにあたって、橋をこんなに上手く使うとは

羽海野チカはやっぱり天才である

島田八段から見る、キャラクターの描き方

島田八段は中年の将棋棋士で、

病弱、薄毛とカッコよくは描かれていない

しかし、島田八段は、かっこいいキャラクターとして人気なのは何故なのだろうか?

島田8段には、羽海野チカのキャラクターを描く上手さが濃縮されているのである

キャラクターがカッコいいとは何だろうか?

面白くない漫画でよく見るのが、かっこいいセリフを言わせるという事

これでは、こう書けばカッコいいだろう?という作者の安直さが透けて見える

羽海野チカならば、カッコいいキャラを描くとき、

かっこいいセリフなどは必要としない

そのキャラクターの背負っているもの、人生を見せるのである

島田八段が何を考えて将棋を指しているのか?という件がある

島田八段の人生をかけて将棋に打ち込む姿は誰しもが

カッコいいと感じるだろう

 

群像劇としての面白さ

3月のライオンのお話の軸は、主人公は桐山零だが

それと並行的に行われるキャラクターの掘り下げが行わるが

そのキャラを描くのが非常に上手い。

3月のライオンに捨てキャラなしである!

3月のライオンには、多くのキャラが出てくるが

その全員が善悪で語ることは出来ない、

一見、悪いキャラに見えても、違う一面がある。

人間という、多層的な生き物を1つのキャラを様々なレイヤーで描くことで表現している。

例えば

このキャラクターは9巻で初登場する、滑川臨也7段

この不吉なキャラは主人公の敵として登場して

愛着やキャラのかっこよさを描くようなタイプのではないと思っていたが、

だが、違った!!

この滑川臨也7段もかっこいい!!

このキャラクターにも、今までの人生があって、将棋を指しているのだ。

羽海野チカは、全部のキャラクター掘り下げる!

しかし、全員を掘り下げるからって冗長にならないのである

そのバランスが素晴らしい。

こんな事、羽海野チカしか出来ない

ハチミツとクローバーでも群像劇の描き方は非常に上手かったが

さらに磨きがかかったように思える。

 

 

時間進行による成長

上の画像が1巻の主人公 桐山零

下の画像が13巻付近の桐山零である。

見た目が成長していることがわかる。

3月のライオンでは1巻が始まってから

13巻に至るまで1年ほど時間が経過している。

この時間経過は羽海野チカの特徴であって

『ハチミツとクローバー』では

森田さんは、最初大学4年生として登場する。

しかし、ハチクロの世界の進行とともに

4つ学年をあげて、8年生という破天荒な設定になってしまったのである。

何で、こんな破天荒な設定にしてしまったのかというと

時間を進行させたかったからである。

時間を進行させる事で、人を成長させることが出来るのだ

例えば、ワンピースであれば時間が遅くなっている

60巻で、2年ほど

するとどうなるか、キャラクターは成長が出来ない

同じ性格のまま、物語を進行しなければいけない

3月のライオンでも、1年の時間経過ではあるが

主人公の見た目も内面も大きく成長している。

ヤングアニマルで連載しているということもあり

青年漫画としても楽しめる作りになっている

 

 

最後に

映画より、漫画がオススメ!

3月のライオンは映画も傑作である

しかし、漫画の方がオススメ

何でかというと、羽海野チカの漫画はギャグが面白いからである

映画は映像なのでどうしてもギャグが表現しにくい

そのため映画では漫画に豊富にあるギャグシーンを無くし

シリアス多めの内容になっているからである

だからみんなで漫画を読もうよ!!