
映画『HelloWorld』は、普通にみると、かなりショボイ映画かと思います。面白いと思うには、ポイントがあるので紹介していきます。
映画『HelloWorld』は、CGのモーションもヒドいし、演技もヒドいしって感じなんですけど、ただ1つだけ良い点がありました。
それがストーリーの構造。
どういうことか、解説していきます。
ネタバレありますけど、ネタバレをした方が見にいきたくなると思うので恐れずにネタバレします。
映画『HelloWorld』のあらすじ
映画『HelloWorld』のあらすじ
主人公は困惑しながらも、未来の自分に従うことに。しかし未来の自分の目的が明らかになる。それは瑠璃の精神を外の世界で脳死状態にある未来の瑠璃にダウンロードすることだった…
ちょっとくらいネタバレした方が見にいきたくなると思ったので、ネタバレしました。
「キャッチコピーが、最後の1秒でひっくり返る」なのでもう1段くらい何かありそうですよね。それは劇場で確かめてください!
これは、外に出ていくインセプションだ!
映画『HelloWorld』を見たときに思ったことは、「これ外に出ていくインセプションだ!」だってこと。『HelloWorld』は、インセプションをオタクっぽく味付けしましたよって、感じでしたね。
インセプションは、夢の中に入れる設定で、夢の中のさらに夢に入ってを繰り返し、現実世界と夢の世界で5層構造になっていました。
インセプションでは、夢の中に入っていくので、世界は内に内に広がっていきます。
それに対して『helloworld』では、「現実をシミュレートしたデータ世界の外側に世界がある」という多層世界構造になっています。
インセプションとは反対で、『helloworld』では外側に世界が広がっているのです。
意外と、外側に広がる多層世界って描かれなかったんじゃないかなーと。パラレルワールドとか、未来・過去とかは多いですけどね。
そこが新鮮味があるかなーと思うところでした。そこを楽しめないと、この映画を楽しむのは、結構キビシイですね。
水槽の脳
実際にこの世界がシミュレートされた世界かもしれないという哲学問題があります。通称『水槽の脳』。
『水槽の脳』とは、私たちが体験している世界は、水槽の中に浮かぶ脳が見ている夢かもしれないと考え方のこと。
つまりこの世界が脳に電極とコンピューターがぶっ刺さっていて、そこから受ける刺激で夢を見ているだけじゃないかという可能性を示しています。
そんなバカなーと思うかもしれませんが、例えば夢の中で、「これって夢だ」って、気がつける人はほとんどいません。夢を見ている間は、夢の世界が現実なのです。
ただこの問題に哲学者フッサールは、そんなこと考えても証明のしようがないから考えるな!と言っています笑。無駄かもしれませんが、考えてみると面白いですよね。
人間は誰でも、夢と現実という2層世界にいる
そんな多層世界なんてあり得ないと思っている方。そうではありませんよ!
この世界は、誰でも夢と現実の2層世界は確実にあるのです。
夢は夢でしょうという方。夢を見ているときに確実にこの世界は夢だなーと気付けるでしょうか?
夢を見ている間は、その世界を現実だと思っているはずです。仮想世界だと疑ないほどリアルな世界って、現実と言ってもいいと思います。
また反対に今過ごしている現実が夢だとしても、認識できないのです。
そういう意味では、この世界は、多層世界と言えるかもしれません。
この世界が水槽の脳が見ている夢か、確かめる方法
もしこの世界が水槽に浮かぶ脳だったら、確かめる方法はあるのでしょうか?
大葉せんせいのが思いついた方法を紹介します。
もし自分が水槽の脳だったら、電極とコンピューターに繋がれている限り、制御されてしまいます。
とすると夢の外側に世界があると感じるためには、1度外側にある脳を制御するソフトを終了させることが必要になるでしょう。
もし自分が水槽の脳の研究だったら、どのタイミングでソフトを落としますか?
ゲームをやったことある人なら、ゲーム内のキャラクターの挙動がおかしくなったら、1度ゲームを再起動するでしょう。
つまり水槽の脳のソフトの挙動がおかしくなったら、外側にいる人はソフトを再起動するはず。
大葉せんせいが考えたのは、この世界でバグっぽい動きをし続ければいいんじゃないかと。ムーンウォークみたいな笑…
こんなのは、完全に笑い話ですけど、考えてみるとSFチックで面白いですよね。
まとめ
『helloworld』の見始めて30分くらいは、その辺にあるクソアニメって感じがして、かなり残念感が漂っていますが、後半はそれなりに盛り上がります。
特にストーリーの構造は、面白い部分はあるかと。大絶賛はできませんが…
主題歌のOfficial髭男dismとOKAMOTO’sもなんかダサかったかなーと。その辺が新海誠作品と差がついていますねー。
時間があれば見に行ってもいい作品かと思います。
それでは、大葉せんせいでした。