アンパンマンで、前から気になっているところがあります。
それがアンパンマンオープンニング「アンパンマンマーチ」の2番の歌詞。
「愛と勇気だけが友達さー」って歌詞があります。だけど、ちょっと待てよと。
アンパンマンって友達いないのか? いや、そんなはずはない。友達は嫌というほどいるはず。
じゃあなんで、あんな歌詞になったのだろうか。「アンパンマンマーチ」の歌詞を見てみると、おそらくかなり深い意味がありそうなので、その辺を考えてみます。
大人の皆さんも、子供に歌詞の意味を聞かれるタイミングがいつか来ると思うので、予習しておきましょう。
なぜあの歌詞になったのか?
誰しも、アンパンマンは必ず通って来た道のはず。子供でも、アニメの好き嫌いはあるものだが、なぜかアンパンマンだけは好き嫌いがありません。
アンパンマンは、幼児の好感度100%のバケモノ番組なんです。しかしアンパンマンが全ての子供に理解されているかというと、そうではないかなーと。
アンパンマンを真剣にみてみると、人間関係なんかがヤケに難しいし、「アンパンマンマーチ」の歌詞は、大人でも理解不能。
全国のアンパンマン視聴者の声をくみ取って、調べて来ました。
歌詞の意味には、諸説あります。
- 病気の子供を勇気付けるために書かれた歌詞だとか。
- やなせたかしが戦争を体験したときに、特攻兵を目の当たりにして、書いた歌詞だとか。
実は、「アンパンマンマーチ」には、兄弟と言えるような曲があります。それが「勇気のルンダ」。「愛と勇気だけが友達さ」に通じる歌詞になっています。
その「勇気のルンダ」がなぜ書かれたのかというと、戦争体験なんじゃないかと言われています。特攻兵について書いた曲だと言われると、なんかそんな気がしてきますよね。
「勇気のルンダ」は、映画「おもちゃ星のナンダとルンダ」の曲でして、その映画の内容もルンダがみんなを助けるために死んだりして、特攻兵を思い出させるような内容だったりします。
「アンパンマンマーチ」の歌詞の意味は、諸説ある中でも、特攻兵のために書いた説が濃厚かもしれません。
特攻兵のために書いたんだよっていうだけの記事だと、「愛と勇気」とは何なのか、という深いところまで解説できていないので、もっと深く解説していきます。
アンパンマンの愛と勇気とは、なんなのか?
アンパンマンマーチに出てくる、愛とはなんなのか?
アンパンマンは、友達がたくさんいます。しかし「アンパンマンマーチ」では、愛と勇気だけが友達だと断言しています。この意味って何なのでしょうか。
本質主義とは、バイキンマンや長ネギマンのように実体のあるものを重視するよりも、「愛、勇気」のように実体のない概念を重視する考え方のことを言います。
そして本質主義について学ぶ学問を哲学と言います。ギリシャの哲学にとれば、愛とは4つに分類されます。
- フィリア…友人愛
- ストルゲー…家族愛
- エロス…異性愛
- アガペー…隣人愛
この4つ。
しかも、この4つの愛は2つに分けられます。
- 性欲的な愛(エロス)
- 人類愛(フィリア、ストルゲー、アガペー)
です。
アンパンマンの作中では、もちろん全ての愛が登場しますが、特に多く出てくるのが性欲的な愛です。
アンパンマンの世界では、昼ドラかってくらい恋愛が盛ん。例えば…
- ホラーマン→ドキンちゃん→食パンマン
- バタコさんとおむすびマン
- チーズとレアチーズ
「それいけアンパンマンの世界」では、こういった性欲的な恋愛が盛んなのに、アンパンマンは全く興味がなさそうですよね。
アンパンマンの愛は、バタコさんやジャムおじさんだけに注がれるのではありません。アンパンマンは、カバオくんやうさこちゃんのように全く関係のない人まで注がれます。
つまりアンパンマンの愛とは、人類愛ということになるでしょう。
アンパンマンの愛が人類愛だということを象徴するシーンがあります。それが映画「アンパンマン 勇気の花が開くとき」のキララ姫がアンパンマンに告白するシーン。
キララ姫は、アンパンマンに恋心を抱いていて、告白をします。アンパンマンは、それに対して「僕も好きだよ」「みんなが好きだ」と返答するのでした。
当たり前ですけど、アンパンマンは特定の相手を作らない存在。真の人類愛を持った存在と言えるでしょう。
アンパンマンマーチに出てくる、勇気とはなんなのか?
アンパンマンは、愛と勇気だけが友達だと言う通り、実態よりも概念を優先する本質主義者なのです。
本質主義を極めた者をなんと呼ぶかというと、哲学者と呼びます。
ということで、アンパンマンマーチの勇気についても哲学的なアプローチが有効ですので、哲学的に勇気とは何なのか解説していきます。
哲学者は、勇気をどんな風に捉えているのでしょうか?
- プラトン…勇気とは、「恐るべきものと恐るべからざるものとを識別することなり」
- 孔子…「勇にして礼無ければ則ち乱す」「義を見てなさざるは勇なきなり」
- 徳川家光…生くべき時は生き死すべき時にのみ死するを真の勇とはいうなり」
つまり、これらの哲学者が何を言っているのかというと「むやみに敵に挑むことが勇気じゃなくて、自分の力量や時期を把握して、しかるべきときに敵に立ち向かうのが勇気だよ」とのこと。
哲学の勇気論を見たときに思ったのは、アンパンマンって、バイキンマンに無策で突っ込むよねってこと。よくバイキンマンのトラップに引っかかって、顔が濡れて力が出なくなっています。
なので、アンパンマンには、勇気がないってことになるのではないでしょうか。
勇気とは、「敵にいつ立ち向かうかを見定めること」で、とりあえず敵に突っ込むことが勇気ではないのです。しかしアンパンマンは、すぐに敵に突っ込んでやられます。
アンパンマンのステータス上昇の必殺技で、「元気100倍」というのがあります。しかし「元気100」も、それなりに強いですが、最強のステータス上昇ではありません。
最強のステータス上昇必殺技は、「勇気100倍」という状態。
「勇気100倍」になったアンパンマンは、最強すぎて、無敵です。宇宙から降下してきてアンパンチを打ってきます笑。
アンパンマンは、勇気があまりないから、勇気ステータスが上昇すると、かなり強くなれるのではないかと。
まとめ
「愛と勇気だけが友達さー」の歌詞の意味がわかりませんよね。そこで調べてみると、出てくるのが特攻兵説。やなせたかしさんは、戦争を体験しているので、ありそうな説ではあります。
ただ、この結論だけだと、既出になので、別の視点から歌詞を考察してみました。
哲学的な視点から「愛と勇気だけが友達さー」を考えてみると、
- 愛…人類愛(フィリア、ストルゲー、アガペー)
- 勇気…立ち向かう時期や、自分の力量をしること
ということで、「アンパンマンマーチ」歌詞の意味が、少し理解できましたね。
子供に「アンパンマンマーチ」の歌詞の意味を聞かれたら、答えてあげてください。
絶対引かれますね笑。