
今回は、考察のレベルを3段階に分けて考察します。
[kanren postid=”2474″ date=”none”][kanren postid=”2520″ date=”none”]『ライオンキング』の感想
考察する前に簡単に感想を語っておくと、やっぱりビジュアルがスゴかった。
全てCGで描かれているって、信じられないくらい。CGもここまで来たんですね。

見た方が良いかどうかなんですけど、“見に行くべき作品”ですね。
【考察レベル1 】『ライオンキング』のストーリー&ビジュアル
『ライオンキング』に今更、ネタバレもないと思うので、ストーリーをガンガン語っていきますよ笑!
実は、『ライオンキング』のストーリーは、シェイクスピアのハムレットをなぞっています。
どういった経緯で、『ライオンキング』のストーリーが『ハムレット』になったかというと。
最初に『ライオンキング』として、生み出されたストーリーは、「ただの『バンビ』のライオン版じゃねーか」ということで、ボツになりました。
そのあと脚本家は、王位を継承するという壮大な物語を思いつきます。
そのとき、乗り気じゃなかったディズニー幹部を監督が説得した説明が
「これは、ライオンのハムレットなのです!」でした。
つまりライオンキングは、シェイクスピアの『ハムレット』なのです。
その『ハムレット』は、どんな話なのでしょうか?
舞台はデンマーク。先代の王であるハムレット王が死に、弟のクローディアスが王位を継ぎました。
王子(ハムレット王の息子)であるハムレットは、母のガードルート(ハムレット王の妻)が夫の死後すぐにクローディアスと再婚したことに絶望しています。彼の私生活は荒れ、そんな彼を周囲の人々は心配していました。
そんなとき、彼が住んでいる城に亡霊が現れるという噂が立ちました。彼が確認してみると、それは亡き父の霊だったのです。話を聞いてみると、彼を殺したのはクローディアスであると言います。
復讐を誓ったハムレットは、狂人のふりをしてクローディアスを暗殺する機会を待つのでした。
ということで、『ハムレット』のあらすじと全く同じなのです。終盤は、ちょっと異なりますが、前半はほぼ一緒。
『ハムレット』と言えば、400年も前に書かれた物語で、今まで舞台化も幾度もされています。
なぜここまで、『ハムレット』は、読み継がれているのでしょうか?
やはり、それは『ハムレット』が扱っている題材が、人間にとって普遍的なテーマだからでしょう。
王位継承は、常に父親の死がともないます。
父は、誰でも1度は目標とするもの。
「父という目標を途中で喪失することによって、アイデンティティが見つからなくなってしまう」流れが、経験をせずとも共感できる題材だからこそ、400年も『ハムレット』が読み継がれているのでしょう。
動物で描く効果
やっぱり、父親が死ぬのは、普遍的な題材なのでしょう。
シンバのお父さんであるムファサ王が、スカーに殺されるシーンのムファサ王の表情。そして、死んだムファサ王の横にうずくまるシンバの表情は、人間じゃないのにかなりリアルに感じられて、感動しますよ!
なんで、『ハムレット』を動物で描かなければいけなかったのか、見ると分かるんですけど、物語が素直に入ってくるんですよね。
例えば、人間が演技すると、「なんであのキャラクターは、ああやって言ったんだろうか」とか、「あの行動は自分だったら絶対しない」とか、どこかアラを探してしまうことってないでしょうか?
大葉せんせいは、人間が演技をしている映画を見ると、「面白かったけど、あのキャラクターの行動原理が分からなかったなー」とか難癖を付けたくなってしまうんですよね。
ですが、キャラクターが全て動物だと、そういった批判的な意見が浮かびにくいのです。
みなさんも、映画を見て、確かめてください!
【考察レベル2】『ライオンキング』のテーマ
レベル2は、もうちょっと深いところまで話してみたいと思います!
『ライオンキング』のストーリーが何を伝えたいのかというと、それはテーマついて。
ライオンキングのテーマは、“サークルオブライフ”と言われる言葉で表現されています。
“サークルオブライフ”とは、「循環する命の中で、自分のできることをする」ことを指しています。
劇中で、ムファサ王が語ります。
「私たちは、草食獣を食べる。そして私たちが死ぬと、そこに草が生え、草を草食獣が食べる。命は循環しているのだ。」それが“サークルオブライフ”の意味で、サバンナという舞台にぴったりのテーマですよね。
私たち人間は、都会で人間として暮らしていると、食物連鎖の中に人間も組み込まれているのを忘れがちになってしまいます。
ですが、そんな食物連鎖の頂点である人間でさえも、長い目で見ると食物連鎖の循環の中にいるのです!
そう思うと、『ライオンキング』が、単純に動物を描きたかったんじゃないことが分かって、面白く見られますよ。
そして、さらに『ライオンキング』のスゴい所は、「命は循環している」で終わらず、その先の「自分のできることを考えて、行動しろ!」とまで、踏み込んだこと。
製作者は、「『ライオンキング』を見て、面白いねだけで終わらせるんじゃない、おまえたちには何ができるんだ」と観客に問いかけているのです。
なかなかメッセージにあふれた映画ですよね。大葉せんせいのできることは、ブログを通して、『ライオンキング』の面白い見方を発表し、多くの人に『ライオンキング』を見てもらうことだと思ったので、このブログを書きました。
みなさんが“サークルオブライフ”の中で、やるべきことは何でしょうか?
【考察レベル3】『ライオンキング』を作り上げた思想
考察レベル3は、思想について。
思想とは、テーマのもとになる考えのこと。
『ライオンキング』のテーマが、なぜ“サークルオブライフ”になったのか考察していきます!
“サークルオブライフ”の意味は、「命は循環していて、その中でできることをしよう」だと解説しました。
実は、“サークルオブライフ”の思想は、キリスト教カルヴァン派の思想なのです。
『ライオンキング』とキリスト教カルヴァン派の思想
カルヴァン派の思想は、有名なものでいうと、“予定説”が有名です。
“予定説”とは、それまでの労働を蓄財は悪であるとしていたカトリックの考えに反発して生まれた思想で、「労働をして蓄財することは、既に神様によって予定されている」とする思想です。
つまりカルヴァン派は、「人には、神に与えられた転職があり、人々全体のために労働した結果、お金がもうかることは、神様に反発することじゃない」としました。
これが、『ライオンキング』という作品のテーマが、“サークルオブライフ”になった、元の思想なのです。
“サークルオブライフ”の「命は循環していて、その中でできることをしよう」とは、つまり「神に与えられた転職で努力することで、人々に貢献しよう」のことなのです。
『ライオンキング』が、カルヴァン派の思想で作られたことがわかりますよね。
ウォーレンバフェットのカルヴァン思想
世界一の投資家である、ウォーレンバフェットもカルヴァン派の思想を持っています。
バフェットの思想とは…
「人々ががそれぞれの最も得意とする分野でできるだけ長く、一生懸命働けば、それだけ社会が富む」
つまりカルヴァンの“予定説”と共通しますし、“サークルオブライフ”にも共通しているのです!
『ライオンキング』は、世界一である投資家の思想を表した映画として見ても面白いですよ。
【まとめ】『ライオンキング』は、ただのライオンの物語ではない!
『ライオンキング』とは、ただのライオンの物語では、ないのです!
『ライオンキング』の題材は、
[box class=”blue_box” title=”『ライオンキング』の題材”]
人間の普遍的に持っている題材である、父親の死を扱っていますし。
テーマは、全生物に共通するテーマになっている。
そして、思想については、神様の思想と共通しているのです!
[/box]つまり『ライオンキング』は、1つの物語で、3つの階層の共通点を作り出していることがスゴいのです!
みなさんも、重厚なストーリーを意識してみてください!
それでは、大葉せんせいでした!
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