レベル5の戦略すごすぎます。さすが『妖怪ウォッチ』で、おもちゃ業界の王者に上り詰めただけありますよ。
今回の映画『二ノ国』はレベル5にとって、ヒットしても、しなくても成功なんです。
どういった戦略なのか、解説していきます。

批判ばっかりになっちゃいました笑
映画『二ノ国』は、売れても売れなくても成功だった
実は、映画『二ノ国』は、ヒットしても、しなくても大成功という、かなり戦略的な作品です。
なぜかというと、映画『二ノ国』は、ゲーム『二ノ国』宣伝だからです!
『二ノ国』は、もともとアニメではなくて、ゲーム。映画の前にも流れたんですけど、映画公開の少し後にゲームの発売を控えています。
つまり映画は、ゲームの宣伝なのです。しかもお客からお金をとって、宣伝できるという無敵の方法。
テレビCMをやるとしても、お金はかなりかかりますし、テレビ視聴者からお金を取ることはできません。
しかし映画なら、多くの観客に有料のCMを2時間たっぷり見せることができるのです。
最近だと、映画『ファイナルファンタジー14 光のお父さん』でも使われた」方法ですね。
映画というCMは、コスパがいいのか?
映画をCMとして使うことが、どれくらいコスパがいいのか考察します。
『二ノ国』の制作費は?
どれくらいコスパがいいのか考えるにあたって、まず映画『二ノ国』の制作費を推測してみたいと思います。
映画『二ノ国』の制作費については、公表されていません。
ですが、他の作品の制作費から推測できます。
例えば、『エヴァンゲリオン 破』の制作費は、6億円。
見た感覚でいうと、『二ノ国』は明らかに、『エヴァンゲリオン 破』よりも制作費は安いでしょう。
『サマーウォーズ』が4億から5億と言われているのですが、それよりも制作費は安いと思います。
映画『二ノ国』は、仮に制作費を4億円だとしましょう。
4億円でテレビCMをしたら、どれくらいの量の広告が打てるでしょう。
キー局のテレビCMは、15秒1回で、750万円から1000万円だと言われています。
仮に1回800万円だとして、4億円を割ると、15秒CMを50回です。
50回のCMでどれくらいの人に見てもらえるでしょうか?
日本人口1億2千万人の6%は、720万人です。
15秒CMの50回を1回720万人ですから、広告を見てもらえた時間は、54億秒!(実際は、50回もCMをすれば、重複する人も多くいるでしょう。今回は、重複は考えていません)
映画は、何人に見てもらえれば、コスパがいいCMと言えるでしょう?
映画『二ノ国』の長さは、106分。秒数に変換すると、38160秒。
4億円払って、CMで見てもらえる秒数の54億秒を38160秒で割ると、141509人です。
つまり141509人以上に映画を見てもらえれば、テレビCM以上にCMの効果があるのです。
映画『二ノ国』は、どれくらいの観客動員を見込めるのでしょうか?
他の映画の興行収入から考えてみましょう。
『モンスターストライク THE MOVIE 始まりの場所へ』7.4億円
『劇場版カードキャプターさくら 封印されたカード』5.2億円
おそらく『二ノ国』も、5億円くらいの興行収入になると予想できます。
5億円を映画の入場料の1500円(1300円から1800円の間をとった数字)で割ると…
映画『二ノ国』の観客動員は、333333人!!!
つまりテレビCMで広告をするよりも、広告効果が高いことが分かります。
しかも映画広告のすごいところは、広告費用まで、回収できること。
映画は、公開の期間の後、円盤にもできて、そこでもお金を回収できます。
劇場での物販もあります。
そう考えると、広告として映画を制作することは、かなりうまい戦略ですね!
二ノ国の感想
感想は、文句ばっかりになってしまいました。すみません。
作画枚数が少なすぎる
劇場アニメ映画は、テレビアニメよりも、作画がパワーアップしないと、スクリーンも大きいので、アラが目立ちます。
『二ノ国』も劇場アニメ映画にしては、ヒドい方だったなーと。
最近の劇場アニメの主流は、1秒間に24枚作画する方法。ピクサーや、ディズニーのアニメは、1秒24枚ですね。それに対して、『二ノ国』は体感で1秒6枚くらいじゃないかなと…体感なので、実際のところは分かりませんが、はじめの方の日常パートは、それくらいヒドかったですね…
奇跡が唐突
あるとき、主人公2人が二ノ国と言われる異世界に転移してしまうんですが、その描写が唐突すぎる。
一瞬で異世界に到着して、急に異世界にの動物が目の前にいたりして、完全に観客が置いてけぼり。
主人公たちも頭の悪い演技をしています。
異世界に転移して、主人公たちは、混乱します。
主人公たちは、スマホを取り出して、電話をかけるんですが、実はそれがコンパス。主人公たちは、異世界だと悟るというシーンがありました。
ここで疑問な演技は、コンパスをスマホだと思い込み、何か操作して、電話をかける演技です。コンパスだったら、見たら分かりますよね。何の操作をしたんでしょうか?そして、耳に当てて、しゃべりかけるんですが、コンパスだったら気づきますよね?
まぁ、その辺は子ども向け映画のお約束として、描かれているのかもしれません。
作画が崩壊気味
見るからに悪の親玉っぽいやつが、結局悪の親玉。
この悪の親玉が、作画崩壊しています。
髪の色がピンクにしてあり、キャラの書き分けができているので、見失ったりしませんが、顔は場面によって全然違います。
劇場アニメ映画で、作画崩壊していると、損した気分ですよねー笑。
あと文句は、この悪の親玉が、悪の親玉すぎること。笑い方が「かーかっかっかー」みたいな笑い方をしています。
いやー、さすがに古すぎるんじゃなかと…
CGもヒドい
CGもヒドいんですよ。
後半の盛り上がり所の戦争シーンでは、主人公たちの後ろでモブの兵隊が戦闘しているんですが、完全にお遊戯。
PS1の格ゲーのモーションをスローにした、動きをしています。
レベル5なら、モーションキャプチャー施設とか持ってると思うので、それ使えばいいのになーと思いました。
音楽:久石譲だけ、存在感がある
ここで、やっと批判以外の感想を言えますね。
物語とは、似つかわしくないくらい、いい意味で音楽が目立っています。
音楽は、力が入ってるなーと思ったら、久石譲。
ゲームの『二ノ国』は、ジブリも関わっているので、久石譲にお願いできたのでしょう。
久石譲といえば、『海獣の子供』でも、音楽を担当していたので、働きすぎですねー。すごすぎます。
これもう、『ブレイブストーリー』だよね?
全体的な感想は、劣化版『ブレイブストーリー』だなと。
主人公2人。異世界に勇者として転移。1人が闇落ち。最終戦争。
ブレイブストーリーって、10年以上前の作品なので、何年前の作品に負けてんだって話です。
正直アニメとしては、『二ノ国』を作った意味が全くない作品ですねー…
【まとめ】二ノ国を見るべき人は、永野芽郁ちゃんファンだけ!
いやー、レベル5の広告戦略は、すごい。
さすが『妖怪ウォッチ』で、ポケモンに迫った企業です。
ですが映画の出来は、かなりヒドいですよ笑。
もし映画『二ノ国』を見るべき人がいるとすれば、永野芽郁ちゃんのファンでしょう。
ヒロインの女の子の声を永野芽郁ちゃんがやっています。
正直うまくなくて、完全に永野芽郁ちゃんなんですけど、ファンにとっては、その方がうれしいですよね。
なので永野芽郁ちゃんファンは、今すぐみた方がいいですよ!
…それ以外の方は、絶対に見ないでください笑。
それでは、大葉せんせいでした。