【感想】映画『海獣の子供』を見るべき理由【解説&考察】

大葉せんせい
大葉せんせい
どうもー大葉せんせいです。
映画『海獣の子供』についてです。大葉せんせい『海獣の子供』を見てきました。

感想は…スゴかった。世界の見え方が変わるくらいの名作だと思いました。

ただ、問題点があって、めちゃくちゃ内容が分かりにくいこと。

 

映画見た後にも、見ていた人がみんな分からなかったと言っていたので、どう見たら面白いのか説明してみようと思います。

 

あと、ネタバレになっちゃうのですが、内容の考察と解説をしていこうと思います。

 

正直、早く見た方が良いです。見たあと、たぶん映画の内容が分からないと思います。

でも、考えることに意味があるんじゃないかと思うので、それで正解かなと。

 

映画のキャッチコピーが「大切な約束は言葉では交わさない」なんですけど、無粋にも言葉で解説しちゃいます!

海獣の子供を見る前に知っておくべきこと

映画「海獣の子供」ARTBOOK

『海獣の子供』は、内容がものすごく分かりにくので、面白く見るためには事前知識を持っておく必要があるかと思います。

事前知識なしで見て理解できるのが1番面白いと思うので、自信のある方は、この記事を読まないで、すぐに劇場に行ってください!

鯨のソング

『海獣の子供』の中に、鯨の歌の話が出てきます。

鯨は、海の中で歌を歌っているのだとか、その歌の波形はものすごく複雑で、もしかしたら人間の会話よりも高度なコミュニケーションなのかもしれないという話が映画の中に出てきます。

 

その鯨の高度なコミュニケーションの内容を人間の言葉に置き換えたのが、下の詩。

「星々の、海は産み親。人は乳房。天は遊び場。」

 

映画の冒頭でも文章で出てくるのですが、その内容を覚えておかないと内容が理解できません。

宇宙誕生のものがたり

『海獣の子供』はどんな物語か、言ってしまうと、宇宙誕生の物語です。

宇宙誕生の物語って、みなさんなんとなく知っていると思います。

「宇宙という空間が生まれて、そのあとビックバンで物質が生まれた」と。

でもそれって、本当なんでしょうか?

 

現代科学の宇宙誕生の理論は、宇宙の観測と、理論の推測から可能性が高そうという形を考えているだけです。

『海獣の子供』のセリフでもあるんですが、人間が観測できるている宇宙の物質は1割程度で、そのほか9割は何があるのかさえ分かっていないのです。

つまり人間は、宇宙について何にも知らないということ。

 

もしかしたら、宇宙の誕生は、こうだったかもしれないというのが『海獣の子供』です。

自然への畏敬の念

宇宙の誕生とか、言いましたが、基本的に『海獣の子供』の楽しみ方は、自然ってスゲーって感情です。

 

とにかく自然って、スゴイ。

スゴすぎて、怖い。

 

海の平均の深さは3000メートルもあるそうです。そのほとんどを人間は、見たこともありません。

見たこともない生物がウヨウヨいて、何万年も姿を変えていない生物もいたり…

 

地球って、海って、怖い。これを映像にうまく表現したのが、『海獣の子供』です。

この見方だけでも十分楽しめると思います。

『海獣の子供』の感想

ネタバレなしで、『海獣の子供』の感想を語ってみたいと思います。

映像がすごすぎる

今回の『海獣の子供』っていう映画は、内容もさることながら、映像がスゴすぎます。

こんなアニメ見たことありません。

 

例えばまず絵柄です。『海獣の子供』の原作、五十嵐大介さんの絵は、特徴のある絵をしています。

海獣の子供(1) (IKKI COMIX)

この絵をアニメにするのは、今まで出来ませんでした。

というのも、アニメはこういう線を表現できないからです。

 

アニメ映画は、紙に書いた線が、劇場では何倍にも大きく映されるワケで、少しぶれるだけで、ものすごい見づらい絵になってしまいます。

 

この常識を覆したのが、高畑勲の『となりの山田くん』『かぐや姫の物語』なんですけど、その作画監督が『海獣の子供』にも参加しています。

 

その作画監督の小西賢一さんのおかげもあって、『海獣の子供』の原作の絵の雰囲気でアニメにすることができたのでしょう。

 

他にも映像でスゴイところがあって、夏の空気感を上手に表現しているところです。

例えば、主人公が学校の教室で怒られているシーン。

 

教室には、光が差し込んでいて、ホコリがキラキラ光っていました。

その映像を見て思ったのは「あー、夏の教室って、こんなんだった!」ってこと。

 

別になんともないシーンなんですけど、丁寧に夏の空気感を表現しているので、必見です。

夏になる前に『海獣の子供』を見ておけば、夏の見方が少し変わるかもしれません。

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『海獣の子供』の音楽

海の幽霊

『海獣の子供』は、音楽がスゴイです。

何と言っても劇中のBGMは、ジブリの音楽を手がけている久石譲。

やっぱり久石譲、スゴイです。

 

『海獣の子供』は、難しいテーマなので、表現するのがすさまじく難しいと思うのですが、聞いてみると「なるほどなー」って思います。

確かに、この場面にあっている音楽って、これだって感じですね。

 

凡人には、到底たどり着けない発想力を感じました笑。

とにかくスゴイです。音楽だけでも、見に行く価値があります。

 

そしてもう1つ、エンディング曲の米津玄師もスゴイ。

米津玄師の『海の幽霊』がエンディング曲になっているのですが、曲の完成度高すぎ。

米津玄師は、映画の音楽のオファーを受ける前から、原作の『海獣の子供』を読んだことがあったそう。そのため、歌詞も『海獣の子供』をよく理解して書いています。

 

今更ですが、米津玄師の音作りがスゴイんですよね。

『海の幽霊』では、なんだか海の中にいるような、ブレた音をコーラスに入れることで、海の壮大さを表現しています。

映画のエンディングで「海の幽霊」を聞いたときは、ゾッとしましたね。

ぜひ劇場で聞いてみてください!

ゾっとする、怖さ。

映画『海獣の子供』の全体的な感想としては、「怖い。ゾッとする。」っていう感じです。

めちゃくちゃ怖いです。

「海って?人って?宇宙って?」っていうテーマを持った、映画でよくここまで表現できたなって感想しかありません。

 

映画館で見た後に、帰るときに他の観客が「飲まれたね…」って行ってました。

確かに、みんなこの感想を持つと思います。

壮大なテーマをセリフじゃなくて、イメージで叩き込んでくるんですよね。

そうすると、飲まれるしかありません。

そして抱く感情は、「怖い」

 

今まで持っていた価値観が、壊れたような感覚になる映画でした。

映画館で集中してみた方が良いので、今すぐに映画館に行ってください!

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『海獣の子供』の解説&考察

ここからが、ネタバレになるので、注意してください。

みる予定があるけど、まだ見てない人は、読まないでください。

その方が映画を楽しめますよ!

正直、何から解説していいかも難しいですが、映画の誕生祭が何かってことから解説しようかなと。

誕生祭とは何か?

誕生祭とはなんなのか?

これは、映画を真剣に見ていれば分かると思うんですけど、誕生祭は宇宙の誕生です。

 

宇宙の誕生は、インフレーション理論とか、ビックバン理論とか、いろんな説があるんですけど、その宇宙の誕生の秘密に迫るのが『海獣の子供』という映画です。

 

『海獣の子供』では、宇宙は海から生み出されるものなんですよね。

宇宙の誕生は世界中の神話があって、海に神様の精液が落ちたのが始まりだとか、そういう話がたくさんあります。

そのイメージを描いたのが「誕生祭」なんです。

海とは何か?

「海は産み親」という詩がありましたが、海ってなんなんでしょうか?

 

海は、その詩の通りで、産みの親=母親なんですよね。もしくは子宮とも考えられます。

 

「母なる海」なんて、言葉があるくらいで、生物は全て海から誕生しています。

 

生物だけじゃなくて、『海獣の子供』では、宇宙とか、星々も海から生まれるのです。

なので隕石が何を意味しているのかは、分かったと思います。精子です。

 

精子が海に落ちて、受精をする物語。それが『海獣の子供』でもあり、誕生祭の内容でもあるんですよね。

海くん&空くんは何者か?

海獣の子供 4 (IKKI COMIX)

海くん&空くんって、めちゃくちゃナゾですけど、なんなんでしょうか?

まずは海くんから解説していきます。

海くんは、ズバリ卵子です。

隕石が、精子という話をしました。

 

海くんは、映画のラストで隕石を飲み込んで、星々を宇宙に放出していましたよね。

つまり、海くんは卵子なのです。そして海が子宮と考えると、辻褄が合いますよね。

 

じゃあ空くんはなんなのか?

空くんは、黄体です。

黄体とは、哺乳類が排卵したときにできる、内分泌構造が黄体です。

黄体とは、子宮内膜を発達させる役割があるのです。

そう考えると、ぴったりハマってきます。

 

海が子宮、海くんが卵子、空くんは黄体、隕石が精子考えると、全てが説明できるんですよね。

 

そして海くんは、インドの神話『リグ・ヴェーダ』に登場する“プルシャ”という存在だと思われます。

プルシャとは、原人とも呼ばれて、人の形をしています。

 

そして、世界はプルシャから生まれたとされているのです。

つまり海くんが宇宙の星々を作り出しましたよね。つまり海くんは『リグ・ヴェーダ』に登場する“プルシャ”なのです。

主人公ルカは何なのか?

主人公ルカは何なのでしょうか?

またあの詩に戻ってみましょう。

「星々の、海は産み親。人は乳房。天は遊び場。」

そうルカはただの人です。つまり乳房なのです。

 

ルカは、海くん&空くんの成長に不可欠な存在だったのです。

海くん&空くんは、ルカに出会うまで、本当は何をするべきなのか見えていませんでした。

空くんは、人体実験をして自分の存在が何なのか解明しようとしていましたよね。

つまり二人の状況というのは、あまり変化がなく、そのために人体実験をして打破しようとしていたのです。

 

それがルカとの出会いで、大きく動きました。

それはルカが乳房の役割をしていたからです。

ルカの夏休みの間の物語というモノローグの通り、ルカとの出会いが、海くん&空くんの状況を夏休みという短い期間で急激に進展させたと考えられますね。

 

あと物語の構造でいうと、人間のルカを通して物語を見ることで、分かりやすくなるという役割があります。結果として、分かりにくですが…笑

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【まとめ】すんげー作品

映画『海獣の子供』って、すごすぎる作品なんですよね。

宇宙の誕生の秘密を映画にするっていう…。そりゃ、ほとんどの人は分かりませんよ笑。

 

そして、ゾッとするのが、宇宙=人間だということ。

映画の中で空くんが言います「宇宙って、人間と似ている」と。

 

これがどういう意味かというと、実は宇宙の構造は、脳細胞の構造とすごく似ています。

左が脳細胞。右が宇宙。

つまり空くんの言っていることは、「宇宙って、人間なんだ」ってことなんです。

ひえ……怖いよ…

もう何が何だかわかりません。

 

もしかしたら、僕たちの中にも宇宙があって、その中では誕生祭が行われているのかもしれません…

それでは大葉せんせいでした。

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