最近SFのアニメには、科学的に間違っていると言って回る悪の組織、SF警察なるものたちがいるそうです。
大葉せんせいが考えるに、SFもので科学的な間違いを見つけようと思ったら、いくらでも見つかります。

例えば、『ドラえもん』のひみつ道具を科学的に間違ってると、批判する人はいません。
それは『ドラえもん』を、そういうSFだと、みんな認識しているから。受け取り方次第なんですよね。
ただ『ドラえもん』のバイバイン・栗まんじゅう問題のように、科学的考察は、面白いので、どんどんやるべきだと思います。
なので、今回はSF警察とは何かと、SFを科学的に批判してもしょうがない理由を哲学者デリダの思想から考えてみます。
そして、SF警察問題の解決策まで、いってみようかと。お楽しみに!
SF警察とは?
アニメや創作物界隈(かいわい)に現れる、SF警察とはなんなのでしょうか?
[box class=”blue_box” title=”SF警察とは…”]アニメなどの創作物の描写に対して、科学的に間違っていると主張し、「SFものなのに、SF部分が間違ってるんじゃ、物語が破綻している」と発言する人たちのこと。[/box]
意外とこういう勢力って、いるんですよね。
特に『彼方のアストラ』に対して、多くのSF警察が出現し、純粋に『彼方のアストラ』を楽しんでいた人は、なんだか嫌な気分になってるという問題があるそう。
実はSFって、哲学者デリダいわく、「絶対に批判する要素がある」のです。
SF問題は、受け取り方によって、どうとでも解釈できる。
『彼方のアストラ』『Dr.stone』という作品を発端として、SF警察問題が出てきてしまいました…
SFとは、サイエンスフィクションの略で、このような状況だったら、科学的にどうか考える面白さがありますよね。
しかしSF警察は、そのSF部分に問題があるから、この物語は意味がないと言ってまわっているのです。
SF警察って、大葉せんせいにとっては、ちょっとナンセンスかなーと。
なぜかというと、SFって、どうとでも解釈できるからなんです。
例えばリンゴが木から落ちてくるシーンがあるとすると、この星の重力だとこうは落ちない! 意見があるとします。
しかし、それは空気の密度とか、自転公転速度とか、はたまた銀河の渦巻速度とか、どこまで考えてるかによって、考えられる動きは違ってきます。
なので、リンゴが木から落ちるシーンだけでも無限に批判ができるのです。
これがSFを批判するのがナンセンスな理由。
漫画やアニメの描写を全く違った解釈もできるよねって、言っている哲学者がいます。それがデリダ。
SF警察を哲学者デリダの脱構築で、理解してみる
デリダは、脱構築という理論を使って、1つの文章でも全く違った意味にして、解釈できるよねと言っています。
例えば、「おまえのそういうところ、好きだわーwwwww」という文章があるとします。
純粋に文字の意味では、おまえのそういうところ好きという意味ですが、皮肉として、全く逆の意味にとることもできます。
デリダの脱構築は、このように、1つの文章でも、意味は1つじゃないよねってことを表しています。
SFもこれと一緒なんですよね。デリダの脱構築は、別に文書に限ったことではなくで、アニメでも、漫画でも使える理論です。
すごい美少女が含蓄ある雰囲気でイケメンを見つめているアニメがあったとしたら、単純に好きなのかれませんし、殺そうと狙っているのかもしれません。受け取り方は、人それぞれなのです。
いーや、作者の意図があるはずだという反論があると思います。しかし作者が、すでに死んでいる場合は、どうやって意図を確認すれば良いのでしょう?
作者意図なんて気にしたって、しょうがないのです。大事なのは、アニメを見た視聴者が、どう思うか。
なんで、みんな脱構築をするのか?
脱構築とは、既に書いたように、1つの文章を全く別の意味に捉えて、物語の新しい見方を提示しようぜっていう批評の仕方のこと。
脱構築は、文章だけじゃなくて、映像でも、音声でも使えます。
ただ脱構築には、問題があって、内容を全く違う意味に捉え直してしまうので、物語を破壊することにもつながるんですよね。
例えば脱構築を使えば、こんな批評ができるワケですよ。
『ドラえもん』で、しずかちゃんは一般的に良い人と言われてますけど、女の子の友達がいないようなので、性格最悪とも取れるわけです。
そんな性格最悪な女の子を好きなのび太は、自分を危機的な状況に追い込むことを楽しむ、無類のマゾヒストとか言えるわけです!
こういう風に脱構築は、悪用すると、解釈の幅を逆手にとって、物語を破壊してしまう力があるのです。
なんでSF警察は、物語を破壊するのか?
SF警察は、なんで物語を破壊して回っているのでしょう?
それは、人の創作物を破壊するのがギモヂィイイイイイから!
『彼方のアストラ』でいうと、視聴者の中に、『彼方のアストラ』レベルの創作を行える人って、かなり少ないワケです。
ほとんどの人にとって
『彼方のアストラ』>自分の能力
という式が当てはまります。
自分より高尚なものを破壊するのって、自分が同じレベルに立っているみたいで気持ちいいじゃないですか?
SF警察は、基本的にデリダの脱構築を使った、創作物ぶっ壊し野郎だということです。
そんなこと、みんな分かっていたと思うので、解決策も考えてみました!
SF警察は、問題発見とともに解決策も提示しろ。その方がSFは、面白い。
SF的な考察が面白い場合もあるんですよね。すでに例に出したバイバインとか、宇宙戦におけるガンダムの下半身の必要性とか。
でもその場合、SF的な矛盾を発見するとともに、SF的に合理的な理由も一緒に考えると思います。なんでかっていうと、その方が面白いから。
例えば、バイバインなら、栗まんじゅうがブラックホールに落ちていくときに、時間が無限に引き延ばされて、増殖のスピードが弱くなったとか。ブラックホールに落ちていくときに、超重量の影響で、時間が引き延ばされると言われています。
だって、そう考えた方が、面白いじゃないですか。
SF警察は、解答も一緒に考えると、もっと面白い活動になんるんじゃないかと思います。
ということで、SF警察問題の解決策として、SF問題の提示と解答は、セットで発言するというルールを決めましょう!
どうでしょうか、SF警察のみなさん。
まとめ
ということで、今回はSF警察問題について考えてみました。
SF問題の解説をまとめます。
警察について、まとめ
SFの科学的に矛盾しているところは、絶対に見つかる
↓なぜ?
脱構築を使えば、どんな物語でも批判可能
↓なぜ?
自分より高尚な物語を破壊するのがギモヂィイイイイから
↓解決策は?
SF問題の発見とともに、解答も考えてみやがれ!
てな感じで、哲学問題まで持ち出して、みました。みなさんも、もしSF警察を見つけたら、「じゃあどう考えたら科学的に正しくなると思う?」と質問するようにしましょう!
もしくは、自分でSF問題の解答をぶつけてみるのもいいかもしれませんね。
みんな仲良く、SF楽しもうぜ!
それでは、大葉せんせいでした。