
今回は、映画『プロメア』を観てきました。
映画『プロメア』の特徴は、製作陣です。
制作がトリガーで、脚本・中島かずきていう、結構面白そうな製作陣
そのコンビで作ったアニメ『キルラキル』が、かなり面白かったので、期待して見に行きました。
観た結果どうだったかというと、「うーん、凡作」って感想でしたね。
なんで映画『プロメア』が凡作なのか、解説していきます。
映像表現で、やりたかったことはスパイダーバース
まず『プロメア』の映像面の挑戦を語っていきたいと思います。
『プロメア』での挑戦は、CGと手書きの融合。
まあ、日本のアニメにしては、CGも上手く使っていたなぁという印象ではあります。
しかし、やっぱり世界基準のCGと比較してしまうと、かなり見劣りする感じ。
街並みのCGとか、ただの四角い箱を並べているだけにしか見えなかったですね…
これたぶん、街並み手作業で作っているんでしょう。笑
最近のCGアニメの街並み制作の主流は、自動生成です。
そりゃ、CGの街並みを手作業で作っていたら追いつけませんよ笑。
CGのテクスチャーとかに関しては、結構うまく手書き感が出ていて、その点ではCGと手書きが上手く融合していたのかもしれません。
でもそれも、レベルでいうと『スパイダーバース』でやっていることの、数段下のレベルって感じです。

あと、差し込む光を四角で表現するっていうのは面白い表現だったんですけど、別にいらない表現だったかなと…
映像表現で言うと、まあ微妙って感想になっちゃいます。
日本の作画枚数でゴリゴリのアクションはきつい
『プロメア』は、ゴリゴリのアクション作品です。
日本のアニメでアクションって、意外と少ないと思うんですけど、『カウボーイビバップ』とかはよく出来ていました。
なんで日本のアニメでアクションが少ないかと言うと、作画枚数的に大変だから。
日本のアニメーションって、通常のテレビアニメの動いているなーってアニメ1本で作画10000枚ぐらいなんですよね。
アニメ1本を21分くらいですので、秒何枚かというと、約8枚くらいです。
それに対して、ピクサーなど海外のアニメーションは、秒24枚作画しているので、その差は歴然ですよね。
本当にアクションをやろうと思ったら、それくらいの枚数が必要だと言うことです。
『プロメア』では、アクションがゴリゴリあるんですけど、作画枚数は秒8枚とかだと思います。
何をしているのか分かりにくいんですよね。もうちょっと作画枚数を増やせたら違っていたと思います。
ただ、CGアニメって、レンダリングていう作業にものすごく時間がかかるから、日本の普通のプロダクションだと、これが限界かもなとも思いました。
つまり日本アニメーションに、アクションはキツイという話でした。
シナリオはいつものトリガー(ガイナックス)

ということで、シナリオはどうだったのかというと、微妙でした。笑
トリガーって、最後の方は勢いと奇跡で乗り切ろうとする、悪いところがありますよね。
今回も、その例にもれず、いつもの悪いトリガーでした。
気合いとか、勢いとか
トリガーの作品って、いつも後半「気合いとか、勢いとか」で乗り切ろうとしますよね。
たまに気合いで乗り切るってレベルじゃなくて、いつも“気合い”なので、もうお腹いっぱいです。
『プロメア』では、だいたい4分の3は気合いで乗り切っている感じだったので、ちょっとダレちゃいましたね。
奇跡とか
そして、トリガー作品の脚本の悪いところがもう1つ、それが奇跡です。
トリガー作品って、最後はなんだかわからないパワーが主人公に湧いてきて、敵を倒すってラストしかありません。
確かに、それはそれで感動するんですけど、流石に奇跡が連続してくると、もういいかなってなります。
『プロメア』でも、ずっとそんな感じ。笑
宇宙人とか
脚本の中村かずきは、よくわからないパワーが大好きなようですね。
いつもよくわからないパワーが出てきます。
『キルラキル』では、宇宙人の生命繊維といわるものが、すごいパワーをもたらしていました。
今回の『プロメア』も、宇宙人のプロメアによって、すごいパワーが人間にもたらされている設定。
正直、そればっかりだなって思いました笑。
演出もいつものトリガー
『プロメア』の演出も、いつものトリガーって感じでした。
トリガーの作品って、物理法則とかよく分からない動きをよくしますよね。
- 「その武器どっから出した?」
- 「何、その変な見た目」
- 「変なネーミング」
です。

動物カートゥーンっぽい演出が好きだよねー
トリガーの特徴といえば、特徴なんですけど、見飽きた感じはあるかなーと。
勢いで貫くストーリーと、それらの演出の相性が良いというは分かります。
でも、流石に毎度毎度、同じ演出にしなくてもいいのでは?
それくらい既視感のある演出でした。
無駄に豪華にした声優
『プロメア』の声優陣は、意味不明なぐらい、かなり豪華でしたね。
正直、声は結構みんな上手かったです。
主人公の松山ケンイチが、ちょっと微妙なくらいで、あんまり気にならないくらいなので大丈夫。
そのほかの声優でいうと、
- 堺雅人
- 早乙女太一
- ケンドーコバヤシ
- 古田新太
- 小山力也
とか、すごい芸能人を使っているんですけど、別に面白さには関係してこないです。
なんでこの人たちを使ったんだろうくらいの感想ですね。
ただ、皆さん声優が上手いので、びっくりしました。
邪魔にはなってなかったですね。
【まとめ】目新しさがない
いろいろ、行ってきましたが、映画館で見る分には退屈せずに見れました。
でも、やっぱり目新しさがないということが、惜しい点なんですよね。
劇場版で見るからには、劇場版らしさが欲しいんです。
テレビアニメと同じノリだと、ちょっと損したような気がします。
これ映画館で見るような作品か?って笑
最初の方は、映画らしく人種差別的なテーマを扱うのかなと思ったんですけど、終盤になるにつれて人種差別もどっかに行っちゃうし…
毒にも、薬にも、美味しくもならない映画って感じです。
なので、見に行った方が良いかと聞かれたら、こう答えます!

それでは、大葉せんせいでした。