ブログを始めた頃は、「ブログを1年も書いたら、めきめきと文章力が上がっていくぜ!」そう思っている時期が私にもありました。
だけど続けてみて思ったのは、むやみやたらに文章を書いてもうまくならないということ。
そこで文章が上手くなるために読んだのが「読みたいことを書けばいい」という本。
この本には、文章上達の真髄が書かれていました。著者は電通で20年ほど働いた、コピーライティングのプロ。文章術の本なのに、ものすごく文章が面白い本でした。
林修さんも「初耳学」というテレビ番組で絶賛するほどの面白い文章が詰まっています。
その「読みたいことを書けばいい」を書いた田中泰延さんは、文章の極意を本の中で語っています。
その極意とは…
結局、文章で大事なのは、起承転結!
「今さら、起承転結かよ」と思うかもしれませんが、長い歴史の中で生み出され、伝承され続けているということは、それだけ価値のあるのでしょう。
どんな武道でも型というものがあります。型は、先人が練りに練り上げ、これ以上ないというところまで引き上げた動きのこと。そんな動きを学ばずに自力で編み出すのは、時間の無駄ですよね。
なのでどんな武道も型から学ぶのです。
じゃあ文章における型といえば、起承転結だったり、PREP法だったりするわけです。
つまり文章上達の最短をいくんだったら、先人が練り上げた文章型を使うのが1番でしょう。
ということで、今回は文章力を鍛えるため文章フレームワークについて記事を書いていきます。
文章力を鍛える方法って、色々あると思います。その中でも、まず基本を押さえていくのが大事だと思うので、5つの文章フレームワークと2つのセールスライティングについて語っていきます。
起承転結
起承転結を使いこなせているという方は、もうこの記事を読む必要はありません。
起承転結をここで説明しても、意味がありません。だってみんな起承転結を知っているから。だって小学校で習うでしょ。
しかしなんでみんな文章を書けないかって言うと、みんな「起承転結」の意味を知っているのに、実行できていないから。
なんで実行できていないかというと、こんな風に思っている方が多いから「起承転結って、意味はわかるけど、ちょっとアバウトすぎないか?」
「起承転結」なんて、そんなアバウトな情報では、試す気が起きないですよね。
- 起…話し始め
- 承…起を深掘り
- 転…急展開
- 結…締め
アバウトなんてもんじゃありません。こんなので文章が上手くなったら天才以外の何物でもありません。
「起承転結じゃ、アバウトすぎて書きにくい!」という方がいたら、起承転結から派生した以下の文章フレームワークを試してみてください。
起承転結よりも具体的な手法なので、より文章を作りやすくなっています。
PREP法
prepとは…
- point…結論
- reason…理由
- example…例
- point…結論&まとめ
1.まずはpointから書き出すのが、やっぱり良いみたいですね。
やっぱりゴールが見えていると、読みやすさが段違いですからね。
ただ書き手としては、結論を最後に持ってきた方が最後まで読んでくれるんじゃないかって思考に囚われがちなので、そのへんの思考を強制する必要がありそうです。
2.pointの次はreason
結論の次に何がくるかって、考えると理由が1番違和感がないのかなーという気がします。
例えば、消費税は20%にした方が良いという結論から話し始めたら、次に話すのは消費税を20%にしなければいけない理由だと思います。
ただし、消費税を20%にしたら、社会はこうなるっていう例を先に話してもいいよかなーという気はします。
この辺の理由と例はセットなので、どちらが先かはそこまで気にしなくても良いかと。
3.理由とセットで、exampleを語る
なぜ例を語らなければいけないのかというと、例を語ると説得力が増すからです。
人は、例をポンポンだせる人の知能を高く見積もるという法則があります。
つまり分かりやすい例を出せれば、書き手がそれだけ頭の良い人物なので、この文章は信用するに値するものですよーって事を暗に示すことができます。
もちろん、例自体がそもそも理解を深める機能があるので、例を開けない手はないですね。
ただし面白くて、分かりやすい例ってかなり難しいものなのが困りもの。
4.再びpointで締める
最後は、再び最初に書いた結論を繰り返してください。
読者は基本的に真剣に文章を読んでいないと想定するくらいが丁度良いってことでしょう。
自分がネットで見つけた記事を読むときに、どれくらいの力を入れているか思い出してください。
本気で論理を追おうと思って読む文章なんて、どれくらいあるでしょうか?
9割9分9厘は流し見で見ていますよね。誰でもそうなのです。
なので読者は、結論→理由→例と読んできたら、結論のことなんて忘れているのです。
さらに単純接触効果のようなもので、心理学では同じことを何度も聞くと信用しまうということが分かっています。
洗脳ではないですが、自分の文章を相手に信じ込ませたいのなら、自信満々に同じことを繰り返してください。
CREC法
CRECとは…
- Conclusion=結論
- Reason=理由
- Evidence・Example=証拠・例
- Conclusion=結論
PREPとほぼ同じですね。詳しい説明は割愛します。
しかし注目して欲しいのは、どの文章フレームワークもほとんど同じってこと。
つまり相手に伝わる文章を書こうとしたら、文章の形はほとんど決まってきちゃうってことですね。
文章フレームワークを知っていると、知らないでは大きな違いが生まれるのです。
SDS法
SDS法とは…
- summary…全体のまとめ
- detail…詳細
- summary…全体のまとめ
1.全体のまとめ
PREP法と同じでやっぱり結論から書き出すというのが重要みたいですね。
最初のsummaryで注意したいのは、簡潔に分かりやすくまとめた方が効果的ということでしょう。
最初のsummaryの役割は、「今回は○○について書きます」ということが読者に伝われば十分です。
割合でいうと、全体の文書量の1割程度を目安にしてください。
2.詳細
ここで、その記事で書きたいことを書きまくってください。
summaryで、結論から入っていますので、そう思った理由と根拠と具体例を挙げてください。
その他には、引用だとか。図解だとか。反論だとか。可能な限りの説明を詰め込む必要があります。
根拠は多ければ多い方が良いですからね。
3.全体のまとめ
目安のの文書量を割合でいうと…
- summary…1割
- detail…7割
- summary…2割
という感じですね。
detailで語りたいだけ語るために、最初のsummaryは簡潔に終わらせることが重要です。
そして、最後にまたsummaryを入れる意味は、読者は基本的に内容を記憶していません。なんとなくの流れは終えていても、内容は覚えていないのです。
なので結論は、何度でも繰り返しましょう。結論が記憶に残らなければ、文章を書いた意味がありませんからね。
AIDA法(セールスライティング)
AIDAは、セールスライティングのときによく使われる文章フレームワークになります。
何かを販売したいというときに使ってみてください!
AIDA法とは…
- atantion…注意のひきつけ
- interest…興味・関心
- desire…欲求
- action…購買行動
1.注意のひきつけ
注意のひきつけは、出来るだけ読者に興味を持ってもらうための文章です。
ブログの平均滞在時間は、長い人で2分ぐらいのもので、普通の人は1分ちょっと。
つまりほとんどの人が全部読まずに帰ってしまいます。中には、最初の数行を読んでバックボタンを押してしまう人も多いのです。
ということで、セールスライティングで必要なのは、最初の文章で相手を惹きつけることになります。
文章の最初に「こんにちは○○と申します」とか挨拶を入れているブログはヌルいってことですね!(大葉せんせいは1年くらいやっていました)
挨拶とかを入れるなら、1.注意のひきつけの最後とかの方が良いでしょう。
じゃあ注意をひきつけるワードとは何なのでしょう?
例えば、「新製品発売!」というような新しい情報だと強調する方法。他には、「97%の人が痩せられた!」というような具体的な数字を盛り込む方法だったり、様々な方法が考えられます。
詳しくは、ザ・コピーライティングの中に検証されている知識があるので読んでください。
2.興味・関心
1.注意のひきつけで、興味を持ってもらったら、さらにその商品の価値を伝えましょう。
車だったら、優れたデザインで、燃費が良くて、年間これくらい節約できますとか。
他には開発秘話などの興味深いエピソードも効果的です。
3.欲求
相手の欲求に気づかせてあげましょう。
人は誰でも欲求があるものですが、意外と自分では知覚していないことも多いのです。
例えば、当たり前と思っている家事を短縮したいとは思いませんか?みたいな内容だったり。
今の収入で本当に満足ですか?みたいなことです。
意外と人間は欲求を呼び覚ますと、多くの欲求があるものです。
4、行動
最後に行動です。言い換えると商品を買わせるってことですね。
ここでは読者が商品を購入するにあたって、後押しとなることを書きましょう。
- 30日間無料とか
- いまなら割引とか
- 多くの人が試していますとか
- この商品を買ったらまわりの人からの視線はどうなりますか?とか
みたいな感じです。
テレビショッピングをイメージすると分かりやすいかもしれません。
テレビショッピングでは、最後に割引だとか、時間限定だとか、数量限定ということをやたらと強調しています。
これがなぜかというと、お客さんの購買行動につながるから。
PASONA法(セールスライティング)
PASONAもセールスライティングで用いられる文章フレームワークです。
ブログで何かを売りたい人には、便利。
PASONAとは…
- problem…問題
- agitation…扇動
- solution…解決策
- narrow down…絞り込み
- action…行動
1.問題
まず読者が物を買いたくなる場面というのは、どんな状況でしょうか?
おそらく、何かを解決したいとか、何かを改善したいと思って買い物をしますよね。
例えば、部屋が汚いというのを解決したかったら、掃除機。
周りからお金持ちに見られたいという悩みを解決するために高級バッグを買うみたいな感じです。
ということで、人は問題・悩みを解決するために物を買うのです。
じゃあ物を売るときに相手に問題がなかったら、どうするのか?
問題を気づかせたり、作り出したりしましょう。
例えば、老後の資金は3000万必要ですっていうのも完全に問題の作り出しですね。将来の金銭的な問題を作り出すことで、投資商品が売れるのです。
2.煽動
2の扇動では、先に挙げた問題点に対する解決策(売りたい物)を紹介します。
先に挙げた例で考えるなら、老後に3000万必要だから、投資商品を買おうという方向に話を進めていきます。
あと扇動をするときに使えるテクニックを紹介しておきます。
例えば、老後に3000万必要だからって投資をしなくてもいいわけです。
しかしセールスライティングでは、他の選択肢を自然と潰して、投資商品を買うように誘導します。
例えば、「厚生労働省の発表で老後に3000万必要だと言っていて、そのためには個人で投資をしなければいけない」という風に権威が言っているから、そうした方が良いと勧めたり。
あとは、投資意外の選択肢を潰していくという方法もあります。。例えば、純粋な貯蓄で3000万貯めるのは現実的じゃないというを挙げてみたり。
あとは、多くの人が投資をしているというデータを持ってきて、焦らせるとか。
色々な扇動の方法があります。
扇動やプロパガンダの方法をもっと知りたいという方は、「影響力の武器」を読んでみてください。
3.解決策
2であげた解決策をもっと具体的に紹介していきましょう。
投資商品を勧めるなら、ここで口座を開設して、この投資商品を買った方が良いよーという感じですね。
4、絞り込み
さらに顧客の状態や期間で絞り込みを行います。
絞り込みを行う理由として、その方が購買率が高くなります。
投資商品を買わせたいなら、「30歳で貯金500万円ない人にオススメ」とか。「3月限定で10%オフ」みたいな感じです。
5、購買
ということで、最後にもう一回購入を呼びかけてください。
まんま、テレビショップの手順ですね。どれだけテレビショッピングが練られた構成なのかが分かります。
ブログだったら、申し込みのリンクを貼ったり、バナーを貼ったりとして誘導してください。
まとめ
結局、無闇にブログを書きまくっても、伝わる文章なんか書けません。
世の中の人は、紀元前数千年の時代から文字を扱ってきました。そして文章は、どんな機能があるかというと、相手に意味を伝える機能です。
人間は、長い時間をかけて、相手に伝えるために文章を洗練させてきたのです。
なぜ無闇にやたらに文章を書いても上手くならないかというと、文章の1万年近い歴史に自分1人で戦いを挑むようなものだからです。
今まで人類学積み上げてきた文章術を使わない手はありません。
そして文書術の頂点ともいえる起承転結。そして起承転結から派生した文章フレームワークを学ぶことが文章上達の最短距離なのです。
みなさんも、文章フレームワークを意識して、文章を書いてみてください!
文章を書く上でオススメの本は、コレ!
めちゃくちゃオススメです。